第3話 妄想と、パンと、最初の1週間。

小説風 LOG
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2026年4月6日〜4月12日。

目標を六つ決めた翌日から、YACCHIの1週間が始まった。

まず動いたのは、アフィリエイトブログだ。セラピスト向けに一度辞めた媒体を再開し、記事を書き続けた。1週間で投稿6記事、下書き14記事。完璧じゃないが、止まっていた自分とは別人だ。ダラダラとYouTubeを眺める時間が、確実に減っている。それだけは自分でわかる。

ただし、油断した瞬間もあった。

職場の飴が切れていた。スーパーへ行った。アイスを買った。飴を買うのを忘れた。午後の仕事前に、もう一度スーパーへ行った。シュークリームを買った。飴を買うのを忘れた。なんて日だ、YACCHI。

次の日、電車の中でふと顔を上げた。某美容クリニックの広告だった。スケーターが宙を舞っている写真。そのメインじゃない、左上の小さな文字が目に入った。

「超えるのは敵ではなく、これまでの自分だ。」

グダグダ言っても仕方がない、とYACCHIは思った。その日、決めた。7月までの3ヶ月、体重と売上に加えて、アフィリエイトブログを100記事書く。目標は、六つになった。

目標がかたまった矢先の安堵感なのか、こいつはまたパンを買った。体重管理はどこへ行ったのか。

仕事は、週の後半に動いた。11日、12日は気候も良く、いつにもなく施術の予約が入った。追われるように施術台に立つのではなく、目の前のひとりにちゃんと向き合えた気がした。これが続けばいい。

柔術は、今週も行けなかった。言い訳はいくらでも作れる。忙しい、疲れてる、タイミングが。でもYACCHIは知っている。畳の上に戻るたびに、自分が少し、地に足がつくことを。月に一回でいい。インビジブル・アースは、逃げない。

エリーとの食事を7月の目標に掲げて以降、妄想の中では、すでに食事が終わっていた。帰り道の、あの場面まで何度も再生した。「エリーのこと、ずっと気になってて……たぶん、好きなんだと思う。付き合ってほしい。」言葉の順番を変えてみたり、「たぶん」を抜いてみたりした。食事に行けるかどうかも決まっていないのに、覚悟だけが先に固まった。恥じない自分で、隣に立ちたい。だから整える。

今朝の体重は68.8キロ。先週より1.2キロ減っている。甘いものに負け続けた割には、悪くない数字だ。

不器用な男は今日も、パンを買いながら、前へ進んでいる。

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